フィリピンではフィエスタと呼ばれるお祭りが、あちらこちらで行われています。
やたらとフィエスタに遭遇します。
お祭りと一言では言い表せない、フィリピン独特の文化のようです。
フィリピン人の友達に、田舎のフィエスタに誘ってもらう機会がよくあるのですが、今回もまたフィエスタに行ってきました。
毎年、町内会ごとに開催されるのがフィエスタ
バランガイと呼ばれる日本でいう町内会みたいなくくりなのでしょうか、そのバランガイ毎に年に一度フィエスタが行われているようです。
バランガイ毎にSaintがいて、そのSaintを年に一度祭るのです。
セブシティーでいうと、年に一度のシノログという大きなお祭りが代表的なものになると思います。
シノログでは、サントニーニョを祭ります。
規模こそ違いますが、各バランガイにも祭るSaintがいるそうです。
各家庭でフィエスタ用食事の準備
バランガイフィエスタは、前の晩から親族総出で準備が始まります。
フィエスタ当日は、親族、友達大勢を招待し、家で食事のおもてなしをするのです。
フィエスタ前夜に、豚やヤギをさばいていきます。
さばく豚とは別に、レチョンと呼ばれる豚の丸焼き準備もしていきます。
豚丸々一頭を棒に刺して、薪で翌朝から焼いていく為の準備です。
他にもルンピア(日本の春巻きのようなもの)やプソ(ココナッツの葉で編まれた小さな籠にお米を詰めたもの)の準備なども欠かせません。
親族総出で前夜から大忙しのフィエスタ準備。みんな手慣れたものです。
フィエスタ当日も、朝から食事の準備で大忙し。
前夜にさばいた豚やヤギを調理していきます。
ヤギの頭も煮込んでスープになります。全く無駄なくいただきます。
ルンピアは一度に全部揚げてしまうとクリスピー感かなくなってしまうので、ゲストに合わせて揚げていきます。
招待する家が費用を負担するのがフィリピン特有文化
私が気になったのは、フィエスタにかかる費用のこと。
いったいこの豪勢な宴は、どこからお金が出ているのでしょうか?
ゲストからお金を徴収するなんてことは一切ありません。
答えは、招待する家が、金銭面も含め、全部準備をするとのことでした。
フィエスタにお金をかけて準備をし、大勢を招待して、おもてなしをするのです。
豪華な食事だけでなく、飲み物やビール等のお酒も沢山用意されています。
フィエスタはバランガイ毎に日程が異なるので、その度にフィエスタが行われる親族の家へ手伝いにいき、労働で奉仕、お金はそのフィエスタを行う家が出すというのが慣例のようです。
カソリック教徒が多いセブでは、人をもてなす為にお金を使うことを惜しまない文化があるように思います。とても寛大です。
お金は還元していくもの。そして、神への感謝の気持ちを忘れずに、年に一度のフィエスタでSaintを祭るのです。
すばらしい!
宗教行事でもあるフィエスタ
午前中にバランガイのチャペルでミサが行われます。
牧師さんも賛美歌も現地の言葉、ビサヤ語なので、何を言っているのか全く分からなかったのですが、心が洗われた気がしました。
チャペル付近は、お祭りの雰囲気が漂っています。
どこの国でも同じですね。屋台や、子供が喜ぶようなおもちゃ屋さんなどの出店が出ています。
綿あめや、風船、洋服屋さんや靴屋さんまで。
現金を賭けるゲーム?ギャンブル?も公認のようです。
お待ちかねの豪華ランチタイム
ミサの後は、いよいよ各家でのランチタイム。
チャペル周辺の家ほとんどが、フィエスタ準備をしていました。
どの家も人が大勢で楽しそう。
私を招待してくれた友達の親戚の家も、大勢の人が集まっていました。
ダバオから毎年このフィエスタの為に戻ってくる親戚やら、普段海外に住んでいるという親戚まで。年に一度のフィエスタがとても大切な文化なのですね。
ランチだけ食べて帰っていく人が多く、入れ替わり立ち代わり総勢100名以上は訪れていたと思います。
すごい!
ランチタイムが落ち着いてくると、大きなスピーカーで大音量のカラオケが始まります。
近所迷惑では? なんてことはありません。
バランガイ中がお祭りなのです。そこら中の家から大音量のカラオケが鳴り響いています。
招待客が食べて、飲んで、歌って過ごす中、ホストであるその家の家族達はずっと大忙しです。
次から次へと出る洗い物、テーブルを片づけたり、ゴミを集めたり、飲み物を配ったり、デザートを配ったり、追加の食事を作ったり。
とても忙しそうなのに、誰一人嫌な顔一つせず、みんな笑顔で働いています。
みんなフィエスタが大好きなのです。
ゲストが一通り帰っていき、ごく近い親族のみになったのはもう日も暮れたころ。
こうしてフィエスタは終わっていきました。
まとめ
今回のバランガイフィエスタで、また更にフィリピン人が大好きになりました。
みんなとにかく陽気で寛大。外国人である私にも、みんな親切で優しく声をかけてくれます。
そして何より、みんな幸せそう!
家族、親族がいつも一緒に大勢いて、誰一人寂しそうな人なんていません。
やたらと小さな子供が多いのも日本との違いを感じます。
とにかく、みんな笑顔!
フィエスタに行く機会があったら是非参加して、フィリピン文化に触れてみてくださいね!