熱戦が繰り広げられたオリンピック、パラリンピックもとうとう終わってしまいましたね。オリンピックでは日本は過去最多の金メダルを獲得しましたが、それはフィリピンも同様です。
今回の東京オリンピック重量挙げ女子55キロ級でフィリピンのヒディリン・ディアスが、フィリピンが初めてオリンピックに参加した1924年パリ五輪以来、初の金メダルをフィリピンにもたらし話題となりました。
またフィリピンと日本の二重国籍をもちフィリピンやアジアのプロゴルフツアーで活躍している笹生優花が今年の6月全米女子オープンでフィリピン国籍を持つ女子ゴルファーとしては史上初のLPGAメジャー大会制覇となったのは記憶に新しいです。(東京オリンピックもフィリピン代表として出場)
そこで年々実力を上げてきているフィリピンのスポーツ事情をご紹介します。
フィリピンで人気のスポーツ「3B」とは?
フィリピンで人気のスポーツと言えば、1位.バスケットボール、2位.ボクシング、3位.ビリヤードが人気スポーツで3Bと呼ばれており、他にはバトミントンが人気でこれを入れて4Bとなります。
私もセブに来てからバドミントンを始めましたが、週末はコートがとれないほどフィリピン人であふれています。
セブから近くの離島に行っても、手作りのバスケットコートやビリヤード台が空き地に作られていたりと広く普及している様子が伺えます。
これらのスポーツに言えることは、お金があまりかからないことです…
それと、フィリピンは島国なので、広い平地が少なく、世界的に人気なサッカーやフットボール、野球などは普及しなかったという説もあります。
以前のフィリピンではオリンピックと言ってもさほど話題にもなりませんでしたが、近年は出場選手も少しずつ増えてきており注目度も上がりました。
日本では世界陸上なども盛り上がりますが、フィリピンでは陸上競技は、サッパリです。
やはり、自国の選手が出ないと興味も薄れますよね…
それでは「3B」について詳しくご紹介します。
1.バスケットボール
フィリピンはかつてアメリカの植民地だったこともありアメリカ文化の影響を大きく受けています。
フィリピンにもバスケットボールのプロリーグPBAがあり、アメリカのNBAに次いで歴史が古く、アジアでは最古のバスケットプロリーグとなります。FIBA世界ランキングも日本のBリーグの35位に対してフィリピンは30位※と日本より高く、国民的スポーツとなっております。
※ FIBA Ranking for Men (2021年8月18日付)
街のレストランやスポーツバーなどではPBAが放映されており、家庭でも老若男女問わず見られています。このPBA人気が国民的スポーツの一因となっています。
CEGAの裏手にある学校でも、いつも楽しそうにバスケットをしている子供の姿が見られます。学校に行っていないストリートチルドレンも空き地にあるバスケットコートでよく遊んでいます。
以前CEGAのアクティビティで講師と生徒がバスケットをしましたが、男性講師はみんな上手でした!
2.ボクシング
バスケットに次いで人気なのがボクシングです。ボクシングに詳しくない人でもマニー・パッキャオの名前は聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?
パッキャオは、史上2人目の6階級制覇(8階級とも言われています)を成し遂げた言わずと知れたフィリピンの国民的英雄です。フィリピンの上院議員をしながらボクシングも続けていましたが、来年のフィリピン大統領選挙へ出馬を表明した為、ボクシングは引退すると発表しました。
パッキャオの試合がある日は、みな自宅や街中で試合を観戦するので、その日は犯罪率が減ったり、ミンダナオ島での紛争も停戦すると言われています。
フィリピンはパッキャオ以外にも多くの王者を輩出しており、世界5階級制覇の王者でアジア人として初めて主要4団体(WBA・WBC・IBF・WBO)で世界王者となったノニト・ドネアもいます。
モンスターの愛称を持つ日本の井上尚弥は2019年にドネアに判定勝ちしており、今年の6月ラスベガスで行われたWBA&IBF世界バンタム級タイトルマッチでもフィリピンのマイケル・ダスマリナスに3回TKOで勝利し、フィリピンでは井上はフィリピン人キラーと言われています…
その試合でダスマリナスがインタビューに答える時、英語の通訳を介していたのが興味深かったです。多くのフィリピン人は英語を話せますが、家庭の事情等で学校に行けなかった人は英語を話せないことがあります。
ダスマリナスもそんな一人だろうと思われますが(勝手な想像ですが…)、貧しくても強ければ拳一つで成り上がれるボクシングだからこそ、フィリピンで人気があるのだと思います。
セブにも至るところにボクシングジムがあり女性も通っていたりします。
3.ビリヤード
ビリヤードもフィリピンは世界チャンピオンを多く輩出しており、ビリヤードの神様と呼ばれているエフレン・レイズはフィリピン人です。
先ほど述べたボクシングのマニー・パッキャオもビリヤードの腕はプロ級で、ビリヤード雑誌の表紙を飾ったり、ビリヤード店も経営しています。
私もセブでマンゴーストリートにあるマンゴースクエアモールの2階にあるスポーツバーでビリヤードをしましたが、スタッフはかなり上手く、コテンパに打ち負かされました…
セブ市内には、スポーツバーや、普通のバー、レストランにビリヤード台が設置されているお店が多く、どこでも気軽にプレーする事が出来ます。
大体はテーブル料金を支払いますが、中には無料(飲食に含む)でプレー出来るところもあります。
また、お店だけでなく一般のローカルフィリピン人の自宅の庭などにビリヤード台が置いてあったりして、近所の人と楽しんだりする事も日常の光景となっています。(プレー代を徴収して生活費にしています…)
と、ビリヤードはフィリピンの人たちにとって、とても身近なスポーツです。
まとめ
これでフィリピンのスポーツ事情に少しは詳しくなれましたか?オリンピックではありませんが、スポーツは国境を超えると思います。バドミントンやビリヤードをしていると、勝負しないか?一緒にプレーをしないか?とよく誘われることがあります。それはフィリピン人に限らず、欧米人からもです。
フィリピンに来る機会があれば、ぜひこれらのスポーツを体験してみて下さい!来る機会がなくても、もしフィリピン人と話す機会があれば、3Bの話をすれば、盛り上がる事間違いなしです!