スタッフブログ

STAFF BLOG

2020.11.01

セブの現状③ MGCQ(Modified General Community Quarantine)とは?

ピックアップ記事

ロックダウンから7カ月。まだまだ外国人の入国規制が続いているフィリピンですが、国内は経済復興に向け着実に規制が緩和されています。

セブ市は9月1日よりGCQからMGCQに代わり、11月末までMGCQとなっています。具体的にどうなっているのか市内の様子をご紹介します。

MGCQ(Modified General Community Quarantine:修正された一般的なコミュニティ隔離)とは?

これまでECQ、GCQを経てMGCQとなりました。このMGCQは分かりやすく言うとGCQが少し緩和された状態です。例えば飲食店で店内で食事できるキャパシティの割合が増えたり、これまで営業できなかった業種のお店・事務所の営業が出来たりと生活に幅が出来ました。

実際、セブ島全体の新規感染者数は1日あたり20人~50人前後くらいで推移しており、以前と比べればかなり落ち着いてきた印象があります。

ただしマニラ首都圏は今でも1日あたり1000人を超えており、フィリピン全体では毎日2~3000人くらい新規感染者がいます。

※これまでのセブの状況についてはこちらの記事を参照ください

セブにおけるコロナウィルスの現状① ロックダウンされるまで
セブの現在の状況② GCQ(Gneral Community Quarantine)とは?

それではセブ現状を細かく見ていきます。

基本生活

外出は、引き続き生活維持に必要不可欠な物資やサービスを利用するか、許可された業務の事業所で勤務するか、いずれかの場合に限定され、娯楽目的の移動は禁止されています。

ですが、実際はみんな不要不急以外で外出しています…

ただ今でも外出する際はマスク着用、外出許可証(Quarantine pass)とIDの携行が必須です。

歩いて声をかけられることは滅多にありませんが、タクシーやバス等車移動の場合、市内の至る所にチェックポイントがあり確認されます。

この外出許可証を持参すれば毎日外出できるわけではなく、許可証の末尾の番号によって外出できる日が決められています。

末尾が奇数:月水金日、末尾が偶数:火木土日

■外出時間

以前は10時から5時まで特別な就労許可を得ている人以外外出禁止されていたのが、23時から5時までと1時間変わりました。

■年齢制限

引き続き21 歳未満と 60 歳以上の人、免疫不全や合併症等の健康リスクを持つ人、妊婦の人、これらの人と同居する人は基本外出禁止です。

元気盛りの子供は7カ月もの間外出できない状況が続いています…

※11月4日追記
外出禁止の年齢が16歳未満と65歳以上の人に変更さました。

学校

CEGAは3月16日から7カ月以上休校となっております。外国人の入国制限が続いているのでセブの語学学校は再開の目途がたっておりません。一部の語学学校やCEGAはオンラインレッスンで対応しております。

オンラインの詳細はこちらから「CEGAのオンラインレッスンで留学前後のフォローアップ

また、フィリピンの一般の学校(小学校や高校など)も21歳未満の外出禁止が続いているので自宅学習となっております。

オンラインレッスンが受講できる環境の家庭はオンライン、オンラインレッスンが受講できない家庭の場合は、自宅学習用のプリントによる自己学習となり、8割もの生徒がプリントによる自己学習を余儀なくされているのが現状です。

自己学習の場合、分からない所があっても質問できず、教育格差の広がりが社会問題となっています。

外国人の入国制限

ホントに少しづつですが緩和されています。10月現在フィリピンに入国できる外国人は以下となります。

■8/1より入国可能になったビザ

  • 13(a)、13(b)、13(c)、13(d)、13(e)、13(g) ビザ(フィリピン国籍者との結婚、フィリピンで出生し永住ビザを保有する親が1名以上いる外国籍者等)
  • 共和国法7919の社会統合プログラムにより付与されたビザ
  • 行政令324ビザ

■9/29発表

  • SRRV(リタイアメントビザ)保持者でフィリピンに入国する必要性がある場合

■11/1より入国可能なビザ

  • 47(a)(2)ビザ(PEZA(フィリピン経済特区庁)ビザ:PEZA登録企業に勤める人のビザ)
  • オーロラ特別経済特区庁が発行したビザ
  • スービック湾首都圏庁が発行したビザ

残念ながら、観光ビザ9aや多くの外国人就労者が取得している9gは入国緩和除外となっています。

また上記ビザ保有者でも保持していれば無条件で入国できるわけでなく、在日フィリピン大使館での手続きが必要な場合がありますし、入国する必要性があると認められず、申請が下りなかった事例も多発しているそうです…

ですがフィリピン政府が10月21日に、新型コロナウィルス感染症の感染率が低〜中レベルの国からの観光客に対する制限を緩和することを検討しているとの明るいニュースの発表もありました。もし、そうなれば日本は低中レベルの国に含まれる事となるでしょう…

交通


飛行機を含む全ての公共交通機関、タクシー等ではマスクとフェイスシールド両方の着用が義務付けられています。

■飛行機


10月28日より、ニノイ・アキノ国際空港、クラーク国際空港、マクタンセブ国際空港、ダバオ国際空港発着する全ての乗客にQRコード使用の接触者追跡アプリ「TRAZE」の登録が必要となり、事前にダウンロードして登録しなければなりません。順次全ての空港に導入予定となっています。

アプリのダウンロードについてはこちらのページを参照ください Traze Contact Tracing(英文ページ)

<国際線>

これまで、セブマクタン空港からの日本への直行便はフィリピン航空が月1~2回成田へ運航しておりましたが、12月からセブー成田に加え、関西、名古屋の定期便の再運行が発表されました。

再運航によりセブから帰国の際、ハイヤーの手配や迎えに来てくれる人がいる関東圏在住者以外の人は2週間ホテル等での隔離生活が義務付けられている為、帰国が難しかったですが、これで関西・東海圏の人の帰国がしやすくなりました…

またマニラー日本の直行便は以下があります。

  • フィリピン航空:マニラー羽田、成田、関西、名古屋、福岡、札幌、各往復
  • ANA:マニラー成田往復、マニラー羽田は片道のみで羽田発は11月から来年1月まで運休です。
  • JAL:マニラ-成田往復。

<国内線>

これまではレジャー目的の旅行は禁止されていましたが、MGCQ下では観光やアクティビティの催行が認められていますので、ビジネス目的以外のトラベルも可能となっております。ですが、診断書や警察庁やバランガイ(自治区)が発行する証明書等が必要となる場合があります。

■タクシー


タクシー車内の様子。運転席はビニールで囲われているので、エアコンの風が後部座席に届かず車内は暑いです…


積載乗員数に制限はありますが、街中普通に走っています。タクシーの配車アプリGrabもキャッシュレス支払いの場合は利用可能です。

以前同様、セブ市に渋滞も戻ってしまいました…

■公共バス



ジプニーの代わりに市内を走るバス。車内は人数制限がある為多くの人が、長い時間待たなければなりません…


My Busと市内の主だった各地を走るシャトルバスが人数制限されながら運行しています。バスがチェックポイントを通る際、警察がバスに乗り込み一人一人、許可証やIDのチェックをしています。これが渋滞を引き起こしている要因の一つともなっています…

長距離バスも人数制限されながら運行中です。

■ジプニー、バイク、バイクタクシー

  • ジプニー:MGCA下では許可されているものの、自治体によって運用状況は違う為セブ市、マンダウェ市内では運航していません。空港のあるラプラプ市では運航が再開されています。

    ※11月4日追記
    セブシティ内の18の路線のみ一定の条件のもと先行再開されました。
    条件の一部:フェイスシールド、マスク着用。乗車賃はお釣りの無いよう、ぴったり支払う。車内での会話、飲食禁止等。
    運行路線:06G、08F、08G、09C、09G、10C、10F、11A、12D、12G、12L、13C、62C

  • バイク:バイクは1人(運転手)のみですが、夫婦または同居のカップルに限り2人乗りが認められます。ですが、男性同士で同乗しているのを度々目撃します…

  • バイクタクシー(ハバルハバル):運行はまだですが、10月23日に省庁間タスクフォース(IATF)がバイクタクシーの運営にむけて事前調査の再開の承認をした旨の発表がありました。これは、運営会社が調査して問題なければ近いうちに再開されることを意味しています。

ショッピングモールや飲食店、その他のお店

ショッピングモールや飲食店、コンビニでも交通機関同様フェースシールドとマスクの着用両方を求められる場合が多いです。


ショッピングモールでの検温の様子。モールはマスクとフェイスシールド両方が必須です。

  • ショッピングモール:許可自体は23時までの営業許可がおりていますが、多くのショッピングモールは大体10時~20時までとなっています。以前は設定温度が28度以上やフリーwifiの提供無し等の規則がありましたが、今は店内wifiも使え快適に過ごせます。

    ただし入店時に検温したり、氏名・住所なのど個人情報の記入はしなければなりません。モールによってはモール内の小売店ごとに記入しなければならない所もあり、非常に手間と時間がかかります…

    小売店ごとの個人情報記入用紙

  • スーパーマーケット:以前みたいに入店1時間待ちとかはなくなり、待ち時間なしで入店できます。品揃えもコロナ禍前と変わりません。

    店内は以前同様にぎわっています。

  • レストラン・ファーストフード店:デリバリーやテイクアウトに加え店内飲食も席数の75%以下で可能となっています。お酒は一人2杯迄と決められている謎ルールもあります。

  • コンビニ・薬局:23時まで営業が許可されています。

  • フード・薬デリバリー:24時間営業の許可がされています。

  • スポーツジム:50%以下の収容人数で営業可。ゴールドジムや、エニタイムフィットネスなどの大手チェーン店は営業していますが、閉店したままのジムも多くあります。


  • 理髪店・美容室:75%以下の収容人数で営業可。以前はカットのみでしたが、今は全てのサービスが利用可となっています。

  • 映画館:MGCQ下の一部の映画館が30%以下の収容で上映再開していますが、セブ市や近郊の街ではまだ営業していません。
    カップルや友人同士で行っても隣同士で座れません…

禁止されている事

  • 闘鶏の開催、闘鶏場の運営

  • 主として酒類を提供するビヤホール・バー、またはそれに類する店(例:ナイトクラブ)

  • 子供向けアミューズメント(例:プレイルーム、ライド)

  • エンターテイメント・コンサート

 

全ての詳細はこちらを参照くださいフィリピンにおけるコミュニティ隔離措置の最新状況 ※出典:ジェトロマニラ事務所

まとめ

禁止されている事が少しずつ少なくなり、外国人にとって日常生活はナイトライフを除けば、ほぼ元に戻りつつあります。

フィリピン人にとってあとは、ジプニーやバイクタクシーが再運行されれば、元に近い生活になるのではないでしょうか。

また外国人の入国に関しても、少しずつではありますが緩和されているので、学校再開に向け講師共々待ちわびるばかりです…

10月7日に発表された9月の18歳以上のフィリピンの失業率は39.5%となり推定で2,370万人が失業しています。※7月は45.5%2,730万人で少し改善されたようです…

特にセブは観光業が大きな産業ですので、国内景気の回復には外国人の入国が不可欠となります。

今ヨーロッパでは1日に何万人もの新規感染者が発生し再びロックダウンが行われていますが、これから日本も冬を迎えるにあたりインフルと、コロナ両方に気をつけなければなりません。

フィリピンが再び外国人観光客を受け入れる日が来るまで、皆さんどうかお身体にお気をつけお過ごしください。